sign-1.png

議事録の書き方


プロジェクト活動などでビジネスマンを悩ませる資料があります。それは「議事録」です。

議事録というのは書き手の技量が大きく左右する資料であることはもちろんのこと、配信先や会議の内容によって書き方のパターンが変わってきたりするので、他の資料に比べても難易度の高い分類に入ります。

しかもこれは経験の浅い若手社員がまかされることが多く、頼むほうも「結論だけわかればいいんだ」という頼み方をするので、どんな書き方がいいかわからないまま作成することになります。

そうすると議事録を受け取った人から「よくわからないから書き直してくれ」とか「話していた内容と違うよ」というクレームがきたりして、先輩社員や上司に教えてもらいながら修正する作業を繰り返して、議事録の書き方を覚えるというのが現状ではないでしょうか。

私自身コンサルタントを始めて議事録の書き方にはもの凄く悩まされました。後輩ができた時に議事録の書き方をどうやって教えるかという事を考えて、「議事録の書き方」というテキストを作成しました。このコラムではそれを一部紹介していきたいと思います。

それから「論理思考を鍛えるにはどうしたらいいですか?」という質問をいただく事が多いのですが、そういう時は決まって「手を挙げてでも議事録を人より多く書くこと」と答えています。

議事録を書くという行為には論理的なアプローチが不可欠で、どの話がどの体系に入るのか?を考えながらインデックスをつけたり、結論を記載したりするのです。これは論理思考力の強化にはうってつけの訓練になります。

少し前置きが長くなりましたが、議事録の書き方について見て行きましょう。


議事録とは?

■議事録の意味(大辞林より)
(1)会議の討議状況の記録
(2)国会および地方議会の会議録の通称

 ・ 議事  会合して協議すること。また、協議すべき事柄。
 ・ 会合  話し合いなどのために集まること。また、その集まり
 ・ 記録

(1)のちのちまで残すために物事を書きしるすこと。 また、その書きしるしたもの

(2)スポーツ競技などで、残された成績や結果。レコード  (3)古文書(こもんじよ)学で、古文書と区別して、特に公私の日記類をいう称

 ・ 討議  ある事について、互いに意見を交わし論じ合うこと。ディスカッション
 ・ 協議  話し合って決めること、またその話し合い
 ・ 状況  時とともに変化する物事の、その時、その時のありさま、ようす

■これらをまとめると
 「ある事について話し合いをした状況および結果を書いたもの」となります。

議事録を書く目的
 ① 参加者と認識を合わせる  

  • 意思決定事項に相違がないことを確認する 
  • 会議の参加者が次にとるべきアクションを確認する  
  • 意思決定までのプロセスを共有化する

 ② 備忘録として活用する

 ③ 会議に参加していない関係者とも会議内容を共有化する

 ④ 改善活動においては「記録して残す」という行為そのものがしくみつくりの基本となる


⑤ 記録者にとっては文書作成のスキルアップになる

議事録のパターン
議事録の種類.png

議事録の配信先の特徴
議事録の前提.png

配信先と議事録パターンの関係
配信先とパターンの関係.png

起承転結とは
起承転結.png

議事録の基本ルール
 ・基本は会議全体の議事を時系列でまとめる

 ・会議の内容を大きな項目に分ける(インデックスをつける)

 ・各項目の内容は起承転結で記載し経緯と結果・結論が把握しやすいようにする

 ・ 内容は事実のみを記載する。個人的な感想などは記載しない

作成のポイント
 ・ 内容を項目分けする(インデックスをつける)

 ・ 各項目の内容は起承転結で記載する(なぜ、そのような結論に至ったかを明確に)

 ・ 議事の背景や経緯・目的が必要な場合は簡潔に記載する

 ・ 最終的な結論・結果を明記する(決定事項、未解決事項、今後の課題など)

基本ルールと重複するところがありますが、このポイントをおさえておけばそれほど外れたものにはならないはずです。

次にこれらの考え方にもとづき作成した議事録の事例を紹介します。まずはよく言われることが多い「議題と結論」だけを書いたパターンです。

議題と結論.png

議題と結論だけに絞っているので、読む方も書く方も負担の少ないシンプルな内容になります。

しかし、議題と結論だけとは言っても起承転結の「起」の部分は必ず書いておきます。こうしておくことにより、その他の発言を絞っても何を話し何が決まったのかがわかりやすくなります。

次に起承転結で書いたパターンを見てみましょう。

起承転結パターン.png


いかがでしょうか。都合上議論のポイントは少なくしていますが、これでどういう議論があってどう決まったのかがわかりすくなっています。こうした記録をすること自体がしくみづくりそのものになり、会社のノウハウとなります。ですから私はなるべくこの書き方にするように推奨しています。

こうしたパターンがあることを理解しながら、「この会議ではどのパターンで書くべきか?」というのを最初に確認してから議事録を作成するようにすると、記載レベルの齟齬がなくなり、会議運営の効率も高まります。

繰り返しになりますが、議事録は作業ではなく、論理思考の訓練にもなりますので、是非積極的に書くようにしてスキルを磨いていただきたいと思います。