sign-1.png

取り去る技術

企業の中では改善に取り組むときに言われるのは「ムダをなくせ」という言葉です。

ではこのムダとは一体なんなのか。私の定義は「やらなくていいこと」としています。

この「やらなくていいこと」を徹底的に取り去ることが改善そのものになります。

そして様々なことを取り去っていく中で、新しい発見や技術が生まれることがあります。例えばインターネットは物理的な距離の概念を取り去り、身近なところで言えば電子マネーは人々がお財布からお金を取り出す手間を取り去りました。

最近(2015年4月17日時点)で話題のApple Watchは、スマートフォンをポケットから取り出す手間を取り去ったものでもあります。

こうして考えると、何か小さな事でも、その手間を減らすための方法を必死に考えると新しい何かが見えてくるのです。企業様をお手伝いしていると5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動をすることもあります。5S活動というと、「ただの掃除でしょ」と言われることが多いのですが、掃除という小さな概念だけではなく、根本的に取り去るという思考を鍛えるためのものでもあるのです。

整理の段階では「要るものと要らないものを分けて要らないものを捨てる」のですが、捨てるということがなかなかできません。まだ使える設備であったり、売れるかもしれない在庫であったり、見るかもしれない書類であったりします。

これらに対して精神論で「まず捨てて下さい」と言っても中々動いてもらえません。そこで取り去る技術について考えてもらいます。ここでは「今あるものは絶対必要だ」という固定観念を取り去ってもらうのです。

そうして5S活動を続けていくと、新しいアイデアや、従来の生産工程や、業務プロセスを刷新するような技術が生まれることがあります。

イノベーションの源泉はこうしたところにも隠れているのです。