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客観性


コンサルタントの機能の一つに「客観性」というものがあります。

ご依頼をいただくクライアントのメンバーの中には、プロジェクトの百戦錬磨のような方もいらっしゃいます。

マスタープランの作成から、推進・管理・実行まで、プロジェクト遂行に関わるすべてのプロセスをこなせるわけですが、意外にもそうしたクライアントのほうが逆にコンサルタントを頻繁に活用します。

理由はクライアントによってマチマチなのですが、もっとも多い理由を並べると以下のようなものになります。

1.自分達にはないノウハウ・考え方が欲しい
2.プロジェクトを専業で出来る人がいない
3.自分達のやってることが正しいのか客観的なジャッジが欲しい

「1.」については、プロジェクト経験が豊富か否かに関わらず、コンサルタントを使う理由の中で一番多いものです。解決しようとしているテーマへの取り組みノウハウを持っているコンサルタントを使ったほうが、全体として投資効率が高くなるからです。

例えば「ロジスティクス戦略の設計」というテーマは、経験したことのない人には荷の重いテーマです。物流の概念、法整備、各コスト水準、オペレーション等々の知識や経験がないと、何から手を付けていいのかわかりません。それを一から勉強してやるよりも、専門知識を要した人間に相談したほうが、時間、費用、人員の効率も高まります。

「2.」については、「このテーマは外部の人間に任せてしまって、自分達は別のテーマに取り組もう」という考え方のもと依頼されるパターンです。

私たちの役割の一つには「お客さんが真の問題に集中できるようにすること」というものがあります。時には資料作成や分析をコンサルタントが行い、お客さんは解決すべき問題を考える時間に集中するという役割パターンでプロジェクトを推進することもあります。

「3.」の客観性。これが今回のコラムのテーマです。

これは非常に大きな意味を持っていて、世の中にコンサルタントがいる意義は実はここが一番大きいのではないかとすら思ってしまうほどのものです。

その業界にいる人はその業界の常識に囚われてしまいますし、その会社にいる人はその会社の常識に囚われてしまいます。

これは自分達が正しいと思っていることが、他から見ると間違っている、おかしいと思われることがあるということを意味しています。認知心理学では確証バイアスという言葉あるように、自分の考えを合理化するための理由ばかり集めてしまい、論理性を欠く結論を出してしまいがちです。

どんなに優秀な人でも簡単にその思考に陥ってしまうので、私どもコンサルタントの役割が出てくるのです。

コンサルタントは業界の利害関係、社内の力関係で発信される情報にフィルターをかけて、一次情報にひたすらアクセスしながら情報を整理していきます。

クライアント内で意見の対立が起こってもどちらの味方もしません。それが仕事をいただいているプロジェクトオーナーであってもです。

それくらいコンサルタントが徹底して中立・客観的な立場をとることにより、クライアント内のメンバーは安心して議論ができますし、自分達の考えを進めていくことができるのです。