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守破離と人材育成


守破離とはある一つの道を追求していく成長過程を示した概念です。能の世阿弥が確立したもので、伝統芸術、武道の世界で幅広く語り継がれている考え方です。

守=師を真似て型(基本)を身につける段階
破=型を応用していく段階(型を破るとも表現されます)
離=独自の世界を創造していく段階

この考え方の中でも何事にもまず基本を身につけることが先立ちます。破の型を破るで誤解されてしまいがちなのが、「あいつは型破りだ」という表現で、基本をまったく無視することがカッコいいというような風潮もありますがこれは違います。

型を身につけていない人が我流で行うことを「型なし」と言います。こういうやり方をしてしまうと、一時的には上手く行っても長期的には成長できなくなってしまいます。しっかりと型を身につけてから応用していく、これが本当の型破りです。

例えば、どんなスポーツでもプロや何年も熟練の人たちは、フォームがとても綺麗です。基本の型をしっかり身につけているからです。そうでない人は「この人は初心者だな」とすぐにわかるはずです。この違いだけを見ても守の大切がわかると思います。

企業でも同じことが言えます。やはりそれなりの業績をあげている会社は基本がしっかりしています。

管理職や人を育成する立場にある方はこの考え方をしっかり理解しておく必要があります。そして育成や日々の指導にあたっては以下のポイントを確認してみて下さい。

・型を教えているのかどうか(自分が何を教えているのか)
・叱るときは型から外れていることを叱っているのかどうか
・指導している相手にそれを伝えているかどうか

よく耳にする場面で考えてみましょう。

「こんな報告書じゃわからないよ」
→型(報告書の構成)を教えていない

「なんでそんなに時間かかるんだよ」
→仕事の進め方の型(手順・リソース等)を教えていない

「管理職の役割果たしていないよ」
→型(役割)を説明していない

こういう指導の仕方では人は伸びませんし、職場の雰囲気も悪くなるばかりです。型を教えるべき段階にある人にはしっかりとそれを指導することです。

近年では目標管理制度を中心とした教育体系を作っている企業が多く、管理職と部下の面談では目標や計画に対してどうだったかばかりが着目され、その課題が守破離のどの段階にあるのか目を向けられることが少なくなりました。

部下の10年後、20年後を考えれば、基本が何でどこまで身についているかを相手に教え、それを促進させるために上司として自分は何ができるかを伝えていくべきです。

是非一度、会社やご自身の育成方法について考えていただければと思います。